狩猟民族の館(Hunting Factory)

狩猟、川漁、採取に関することをメインとしたブログのはずが、最近は農耕民族となり無農薬、無化学肥料、自家採取種、温床による育苗、無肥料にも挑戦、で野菜作りもやってます。そして日本ミツバチも飼い始めましたが前途多難。since2007.7 

カワウ研修会(上級)

環境省主催の「平成25年度特定鳥獣の保護管理に係る研修会(カワウ上級)」に参加してきました。

参加者は、行政の方と内水面漁業協同組合の関係者で32名。

講師は、カワウの生態や対策に詳しい専門の先生達と事務局で10名。

11月27日、28日、29日と3日間にも及ぶ研修で、
1日目は講義として
 講義A:カワウの生態と最新の生息状況
 講義B:特定計画作成のためのガイドライン及び手引きについて
 講義C:漁業被害量の求め方
DCIM0271.jpg

2日目は
 講義D:カワウに係る漁業被害とは何か
 講義E:カワウの解剖手順と注意事項
 実習1:カワウの解剖
 実習2:胃内容物調査
 カワウねぐら見学
CIMG0100.jpg

CIMG0108.jpg

高梁川では、下流域が銃猟禁止区域になっていることから、河口でしかカワウの駆除ができません。そのカワウの胃からは岡山名物のママカリがこんなにも・・・下の方にはアナゴも見えますね。

CIMG0123.jpg


3日目は
 グループワーク1:実習データからの被害額算定
 グループワーク2:地域対策における目標設定と合意形成
CIMG0130.jpg

私個人としては、高梁川漁協が今年の10月に日本におけるカワウ研究の第一人者である山本麻希先生をお招きして勉強会を開催したので、その講義とその後の懇親会等によりカワウの生態とその対策の全貌が把握できました。

この3日間の研修により、より深くカワウの習性や行動の意味合いを知ることができたこと、実践的な対策の考え方が身に付いたこと、それになんといってもカワウの問題は漁業被害ではなく環境問題として捉えなければ根本的な解決はできないことが理解できました。

それにしても、3日間もの間一緒に行動を共にしていると参加者同士が一体となり、主催者の思惑通りにカワウ対策をやっていかなければならないという使命感が生まれますね。



ここで、カワウが環境問題とされる理由について私の知り得たことを記述します。

カワウは、高度成長期以前には全国に鵜にまつわる名前が付いた地名や場所があるほど多く生息していました。その頃には魚も多く食害による影響は微々たるものであったことから問題にされることは無く、反対にねぐらやコロニーに堆積した糞を肥料として有効に活用していたようです。
また、その生息場所は河川の下流域に集中していたようです。

高度成長期になると、工場排水や農薬等の化学物質による水質汚染が始まり魚や人間までもが影響を受けました。それは魚を主食にしているカワウも同様。あっというまに激減して絶滅が危惧される種となりました。

その後、水質が改善されてくるとカワウは徐々に数を増やしてきました。しかし、その受け皿である河川は、高度成長期に人間の都合だけを考えて造られた横断堰やダムの悪影響により河川環境の改善は少なくカワウの増える数に魚の量が伴っていないことから問題視されるようになりました。

以前は主に河口域に生息していたカワウも、エサを求めて河川全域に分散。それを手助けしたのが、河川環境を激悪にしている堰やダム。その理由は、カワウといえども流速の早い瀬では上手く魚を獲る事ができないので流速の遅い淵が餌場としては好適です。ということは、水を停滞させる堰やダムも餌場として好適な場所となりますね。
カワウは魚を狩ってエサにしています。固体により上手下手があるようで特に巣立ち後の幼鳥や若鳥はエサが確保できずに餓死することも多かったようですが、好餌場が出現した事により生存率が上昇しカワウの激増に貢献したと言えます。

ですから全国にあるカワウのねぐらやコロニーの場所は、餌場として好適である堰やダムの近くにあり、その結果、河川の上流から下流までカワウが生息しているわけです。

このようなことから、カワウ問題を根本的に解決するには、河川環境を改善するしかないという結論になります。

ただ、河川環境を数値化して評価し対策を行うことが難しいことから、数値化し易い漁業被害額の算定によりカワウの適正数を導き出してそれを目標とした被害対策を行うという方向に向いているようです。
こういう小手先の対策も必要でしょうが、根本的な問題はそこにはないというこをもっと前面に出して議論して将来を見据えた対策も同時進行としてもらいたいものです。


スポンサーサイト

コメント

個人の情報収集にも限度があるので、専門家の意見を聞くのは大切ですね。
歴史的に見た川鵜の増減の様子、とても興味深いです。
勝手に増えたり減ったりしているというわけではなく、すべて我々人間の行動と密接につながっている、そしてそれに気が付かない我々がいるという構図。

生態研究

対症療法でなく、根治できる療法が必要ですね。 やはりコロニーとなる場所の根絶でしょうか? 繁殖場所も含めてのコロニーと解釈しています。 根絶のためのモチベーションアップを如何にするか難しい問題ですね。

そっかぁ

そんな歴史があったのですね。
猪や鹿もそうですが、環境によって簡単に生息数が増減しますね。

いずれにせよ根本的な対策が必要だということはよく分かりました。

なるほど

別の視点と言う奴ですね
大きな広い視野を持った目と、それを咀嚼できる心が必要と言う事ですな
他の動物も、視点を変えて検証してみる必要がありそうですね

カワウは東京のドブ川みたいなところでも大量にいるみたいですね。自分が子供の頃は見かけたことなかったんですが・・・

さっき岡山から送られてきた焼きママカリの酢漬けを食べました~
やっぱり美味しいな~

オイノコさん

カワウは魚を大量に食べる悪い奴というイメージでしたが、もっと悪いのは人間であるということがわかり複雑な心境です。カワウと良い付き合い方ができるようになるのはいつの事やら。

kent さん

カワウは在来種なので根絶はやり過ぎでしょうね。現在の河川環境に見合う適正な数まで個体数を減らすのが急務でしょう。

じゃんさん

個体数を減らすというよりも環境を整えることを優先しないといけないのでしょうがねぇ・・・

kuma仙人さん

kuma仙人さんのように日々山の頂から下界を眺めれば、私ももっと広い視野を持てるかもわかりませんね(笑)

やんまさん

いろんな意見を持った人が多くいる東京だとカワウ対策が難しいでしょうね。

今年はママカリが久々にそこそこ捕れるようですよ。今の時期なら最高の状態でしょう。いいな~

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

Calendar

« | 2017-09 | »
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Monthly

Categories

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Appendix

川ガニ

川ガニ

動物の生態を観察し、猟・漁の技術を高め、獲物の処理と調理方法にこだわり美味しく頂くこと念頭に行動しています。

FC2Ad

まとめ




script type="text/Javascript" src="http://ashia.to/client/js.php?id=558&enc=euc">