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狩猟民族の館(Hunting Factory)

狩猟、川漁、採取に関することから始めましたが、野菜作り、ミツバチ、キノコ、朝市のカテゴリまで増え、広く深くという内容になりました。一般の方が知らない世界を覗けます。since2007.7 

平成30年7月豪雨(その3)

西日本を襲った豪雨被害から2ヵ月が経過しました。

被災して家が全損した猟友からの話では、倉敷市は支援物資は十分足りていると報道していたけど、被災後3日間は物資が届かず被災住民は大変な状態だったようです。

避難場所の指定はあっても、そこに指示系統を決めている人員配置表や連絡体系表が無ければ一般の住民は次の行動が始まらず、ただその場所で危険が過ぎていくのを待っているだけ、役所は状況把握ができなければ動かないということになります。

これまで誰もが大きな災害とは無縁と思っていたわけですから、細部に行き届いた対応は難しかったということでしょう。


「高梁川水系小田川堤防調査委員会」が行なった現地調査の資料が国土交通省岡山河川事務所のホームページに掲載されています。

抜粋した報告書から、私なりに小田川の決壊原因を推測してみます。

まず、3K400地点

小田川3K4

小田川と支流の堤防が決壊しました。

堤防の盛土材料は流されてしまい残っていないので、盛土材が脆弱だったかどかの判断はできません。

基盤面は、「粘性土」と書かれています。写真では硬質な「砂混じり粘土」のように見えます。

残った基盤面が滑り面となって上層の盛土が崩壊したか、直下に堰か道路があり河床が上がっているので、支流からの水量が重なりこの辺りだけ水位が上昇したため堤防を越水して決壊したという可能性が高さそうです。


次は、6K400地点

小田川6K4

ここは小田川の堤防が決壊しました。

基盤面は、硬質粘土です。

ここは明らかに基盤面から上部が滑ったというように見えます。

こういう硬質粘土は、私の漁場でもあちらこちらに見られ、上面は固形石鹸のようなので気をつけて歩かないと滑って転びます。水流が早いと滑るので土砂は堆積しません。

ここも下流に堰があるようなので、その影響で水位が他より上昇して早くに決壊したというように考えられます。


2箇所とも、水位が横断堰により他の場所より上昇したこと、基盤面が滑り面だったことが原因ではないかと推測します。


あと一つ高梁川との合流点付近で、昨年度施工したばかりの堤防が決壊して無くなっていますが、これについての報告が無いようです。

小田川の付け替え工事を行なう予定の起点部分で、高梁川の流れと小田川の流れを分離していた背割りの石積護岸を取壊し、小田川の流れをせき止めるように築堤したものです。

これにより通常は高梁川と平行して流れれるようになっていた小田川の流れを、高梁川の横面から上流方向に向けていたと思います。

計画図面は、1年半ほど前に見ましたが施工後は確認していません。

先日、現地を見ましたが、堤防の跡は何も残っていないようでした。

小田川付け替え工事の堤防を施工するにあたり、増水時の挙動を解析する目的で堤防を施工すると国土交通省から説明を聞きましたが、解析するどころか流されてしまったので計画自体を考え直さないといけないのではないかと思います。

でも、小田川の付け替え工事をしたらもう災害はもう起きないと思ってる人がいるようで、施工期間を半分にするような工程が新聞に載っていました。

河川の中に堤防を築くということは河川の流下断面を阻害するし、堤防の強度にも問題があることが露呈したので、慎重な検討が必要なはずです。


ここで、高梁川整備計画の資料を基に、今後の施工順序について検証してみましょう。

これは、「高梁川整備計画」の資料を抜粋したものです。

03_plan.jpg

「小田川の水位縦断図(計画高水流量)」の表に緑と茶で私が線と数値を加筆しました。

この表は、小田川の付け替え工事をした場合(青)、河道掘削と樹木伐採をした場合(ピンク)に水位がどのくら下がるかを表したものです。

例として、決壊した3.4K付近と6.4K付近の値を記入しました。

決壊3.4K地点を読み取ると、小田川付け替え工事をした場合の水位低下は1.0mで、河道掘削と樹木伐採をしただけの場合の水位低下は3.0m。

決壊6.4K地点を読み取ると、小田川付け替え工事をした場合の水位低下は0.7mで、河道掘削と樹木伐採をしただけの場合の水位低下は2.2m。

どうです?

単独で小田川の付け替え工事をしたからって、そんなに水位は低下しないでしょう。

それより3倍も効果的なのが、河道掘削と樹木伐採だということが理解できます。

折れ線グラフを入れてませんが、小田川の付け替え工事をやらなくても、河道掘削と樹木伐採だけで現況の堤防高さを越えない位置まで水位が低下します。

堤防強化と合わせて河道掘削と樹木伐採を行なえば、ひとまず安心という結果がみえますね。

これプラス下流の笠井堰で流下阻害を無くす対策を行なえば、もう少し水位が下がりそうですし。

でも、それでは小田川の付け替え工事を行なうメリットが少なくなり、国土交通省としては面白くありませんから、付け替え工事が先だと強引に突っ張ってきたということではないかと考えられます。

大災害が起こった直後から、小田川付け替え工事をやっておけば災害が防げたと言っていた御用学者もいたようですが、地元愛がない者の言いなりになって同じ過ちを起こさないようにしないといけません。

ここは、堤防強化と流下環境の改善を急ピッチで行い、小田川の付け替えについては、専門の先生や国、県、市町村、コンサルで検討委員会を立ち上げて、慎重に詳細検討を行ってから考えるべきではないでしょうか。

このまま言いなりになっていると、次は、あと堤防越水まで50cmだった酒津の番になります。

酒津の堤防が決壊したら、倉敷市街は壊滅的な状態になりますから。


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内緒のコメントの方

私なら生物相のバランスを崩す恐れがあるので、産業廃棄物を使うことは承諾しないです。
微生物を含めた河川環境に対する影響評価の結果を提出するように要望したらどうでしょうか。

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動物の生態を観察し、猟・漁の技術を高め、獲物の処理と調理方法にこだわり美味しく頂くこと念頭に行動しています。

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